『のほほんと暮らす』

のほほん、ってなんて素敵な言葉だろう。

西尾勝彦さんの本。(著者は継承なしで呼び捨てすべきだけど、なぜかさん付けしたい。)

これは去年、京都の恵文社一乗寺店で買った。(ここはご存知の方も多いと思うけれど本当に凄かった。本好きなら一度は訪れてほしい。)

のほほん、である。のんびり、とは同じ仲間かもしれないけれど、のほほん、である。のんびりよりもほわっとした感じ、空気が緩む感覚。

まず表紙がいい。棚に並んでいる時、この本の周りだけ時間の流れが遅くなっていて、ほわほわとしていたことを覚えている。渡辺えみさんという方がちぎり絵を担当されている。これが本当にこの本の雰囲気にマッチしている。本のサイズもかわいくてすきだ。文庫本より少し大きく、単行本と比べるとかなり小さいサイズ感。いいなあ。どこか出かける時はカバンの中に忍ばせている。お守りのような本になっている。

のほほんとした偉人の言葉、のほほんとした本、のほほんとした人、のほほんとした音楽、などなど。どこから読んでも大丈夫。何か一つ紹介してみましょうか。

僕の特に好きなのを。

「のほほんとした人かなと思ったら」

こんな人を見かけたら

よく観察してください

どこからともなく現れる人

服に猫の毛がついている人

いつもしずかにわらっている人

何度会っても人見知りする人

なんとなく生きているようにみえる人

なぜか肩にスズメが止まっている人

ひまそうに見えて本当にひまな人

なかなかまっすぐ歩けない人

あんまり無理のなさそうな人

いつのまにかいなくなる人

いいなあ。こんなひと、とても魅力的だと思う。これは今パソコンで打っているけれど、これはぜひ紙の本で読んでほしいですね。もちろんこうやって打っても文章そのものは伝わるけれど、実際の本の余白だったり、重さだったり。そういう情報も含めていいなと思う。特に、最後のあんまり無理のなさそうな人 いつのまにかいなくなる人 は、1ページにそれだけ書いてあって、最後がいつのまにかいなくなる人、で終わっているから、まだその人に会ってもいないのに、急にさびしくなってしまう。

月並みな表現だけれど、現代社会は本当にスピードが早くて、目まぐるしく世の中が変わっていく。そんな中で、のほほんとしていることはとても難しいことなのかもしれない。でも、それだ心地よいと感じることは確かにあって、それはこの本を読んでいる時の心持ちが本当に穏やかで、ゆったりした気分だからそれが何よりの動かぬ証拠だと思う。他にもまだまだ紹介したいけれど、まずは手に取って読んでみてほしいです。

さっきののほほんとした人の中に一人でも、お、いいな、って思おう人がいるのであれば、きっとあなたものほほんの才能があると思う。

のほほん、は今の時代にあって反抗であり小さな革命でもあると思う。

この本がゆったり自分の部屋で、旅先で、お気に入りの喫茶店で、読めることは一つのバロメーターになっているんじゃないかなって思う。実際、自分も仕事が忙しい時はなかなか読み返すことができなかった。

のほほんと暮らす、いいでしょ。

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